4.(株)ヒロコーヒー 山本光弘さん


<プロフィール>
1958年9月16日生まれ。
大阪府吹田市出身。
現在、株式会社ヒロコーヒー代表取締役。
小学生時の夢は旅客船内の調理師。

現在の夢はヒロコーヒーを夢と誇りの持てる会社にすること。 趣味 喫茶・野球・水泳・ゴルフ・読書・旅(コーヒー店をめぐる事) 尊敬する人は司馬遼太郎。
ヒロコーヒー全14店舗 
従業員数350名(内社員60名) 
 

主な経歴
平成18年12月 西宮市に西宮北口店とパン工房麦蔵をオープン。
平成18年5月 尼崎市につかしん店オープン。
平成16年3月 伊丹市に焙煎工房とケーキ工房を併設したいながわ店オープン。
平成15年5月 箕面市に箕面ヴィソラ店オープン。
平成15年3月 全部署.店においてISO9001の認証取得。
平成15年2月 宝塚にパン工房新設。
平成12年4月 伊丹あらまき店オープン。
平成12年5月 豊中に焼き菓子工房オープン。 
平成12年9月 日本スペシャルティコーヒー協会コーヒーマイスター認定。 
平成10年7月 箕面にサンセットカフェオープン。
平成8年7月  箕面桜店オープン。
平成7年    ワゴンコーヒーサービス事業部を新設。
平成6年6月  豊中緑ヶ丘店オープン。併設でケーキ工房を新設。
平成5年   業務卸として営業部を新設。本社を吹田市江坂町に移転。 コーヒー工房に60kg焙煎機を設置。
平成4年6月 千里セルシー店オープン。
平成4年3月 伊丹中央店オープン。 
平成2年5月 千里五月丘店オープン。(喫茶と販売の併設店)
平成1年5月 コーヒーギャラリーHIROオープン。(コーヒー豆販売の専門店) コーヒー豆の宅配業務開始
昭和63年9月 株式会社ヒロ珈琲として株式組織とする。
昭和62年4月 2号店として江坂店オープン。東京で一年間アルバイト。
昭和55年   独学で自家焙煎を始める。.心斎橋喫茶専門学校(珈琲専科)
昭和52年5月 吹田市広芝町にコーヒー館ヒロ開業。
大原簿記専門学校(商業簿記3級取得) 
コーヒー専門店ローマ館でアルバイト。.心斎橋喫茶専門学校(喫茶本科)
昭和50年レストラン(株)ブルドッグ入社喫茶勤務レストラン
ステーキの日本(兵庫県尼崎市)でアルバイト。
昭和48年 吹田市立豊津中学校卒業。
卒業後直ぐに喫茶シャン(大阪府茨木市)でアルバイトを始める。
山本さんとは何度かお会いしたことはあったのですが、今回ゆっくりとお話をお聞きして インタビュー後には山本さんの魅力に引き込まれていました。 強い意志と力強さをお持ちの山本さんの焙煎のお話と、サスティナブルコーヒーについて。 インタビュー後の週末には山本さんのお話を胸に、私はヒロコーヒーさんへ足を運んでいました。 そんなヒロコーヒーさんはいつもお客さんでいっぱいです!
(取材・文/福島建三 写真/西田有里)

コーヒーの焙煎
焙煎ということを語るのはとても難しいことですが、 私なりの持論を少し述べさせていただきたいと思います。 生豆投入温度、中点、火力、風量、風速、・・・など、 各条件に基づいて、正しい焙煎方法というものを定義づけることは大変難しく、 お店の数だけ焙煎方法はあるといっても過言ではないと思います。 生豆の持つ質を的確に捉え、店主の理想としてどのような味作り、表現をするか、 それぞれのお店が、機械選びから焙煎方法までを工夫し、 持論を生み出し、実践されていることと思います。 


焙煎機には様々なメーカーがありますが、 どこのメーカーが優れているということは一概に言えないと思います。 この部分は嗜好の世界で、 どこの焙煎機でもコーヒーを煎ることが出来、味作りも出来ます。 ただ、性能特性がそれぞれ違いますので扱い方は変わってきます、
もちろん煎り上がったコーヒーの表現も異なります。 ヒロコーヒーとして一番大切にしていることは、 コーヒーという果実が持っている素晴らしい酸の質と、独特の香りだと考えております。
ヒロコーヒーのコーヒーセミナーなどで、 酸は苦手と言われる方が非常に多いのですが、良質の酸の良さを理解していただき、 焙煎により『酸をどのように表現するか』ということをお伝えしております。 コーヒー本来の持ち味を出し、 酸の質を表現していくということでは、直火ではなく熱風が適しているように思います。 コーヒーを『焼く』のではなく、 『煎る』という考えが大切になります。 焙煎において豆の表面にはダイレクトに熱がかかります。
表面を焦がさず焙煎するということは、 釜内の圧力、風力、風速、カロリー調節等が可能な焙煎機が使いやすいということです。 風速が速すぎると豆の表面を焦がすおそれがあります。 あるメーカーの焙煎機を使った時にそれを痛切に感じました。

<ある意味この焙煎機との出会いが 色々なことを経験させてくれ学ばしてくれましたが…>

熱効率も高くハイカロリーな焙煎機では、 マンデリンやカリブ海系の柔らかいコーヒー豆の端が焦げることも多くありました。 そこで火力を落とさずインバーターとダンパーで風速.風量を変えることによって、 問題は解決することが出来ました。 風の流れる量「?」も大事ですが、風速も大事だと実感出来ました。 排気ラインは大きい方が良く、細いとストロー効果で風速が早くなりますので ハイカロリーの場合は豆の表面焦げが起こりやすくなります。 排気ラインを広く取って、 緩やかな風速で同じ量の風量を取る方が良いということがわかりました。 焙煎時間においてですが、短時間焙煎ではコーヒー豆の持ち味が強く出てきます。 もちろん良い部分も悪い部分『汚れ』『欠点』も出てきます。 中点を落とし、焙煎時間を長く取りますと 『汚れ』『欠点』を和らげることが出来ますが、良い部分も和らいでしまいます。 その関係で当店では、 短時間焙煎ではスペシャルティコーヒーを。 少し時間を取る焙煎には、若干の汚れがみられたコーヒーを焙煎するようにしております。また、焙煎豆の含水率をみると長時間焙煎の方が少なくなるので 経時変化が少なく劣化は遅くなります。
家庭で飲まれるコーヒーやリキッドコーヒーに使用する豆のような 経時変化を伸ばしたほうが良い商品には、 含水率を少なくした長時間焙煎のコーヒーが向いているように思います。 コーヒーの成分について研究しておられる先生方によりますと、 コーヒーの良い香り成分は焙煎によって膨らんだ 細胞ひとつひとつの内壁に多く出来るということです。 逆に細胞と細胞をつないでいる部分からは、良い成分が出にくいということです。
焙煎時、コーヒー豆の細胞を膨張する時のカロリーのかけ方により 香りの出方が違ってきます。 水分がまだ比較的多く残っている段階(早い段階)で豆を膨らませた方が 中点を落として水分が飛んでから豆を膨らます焙煎(細胞が伸びにくい)よりも 香りが強く感じると思います。

サスティナブルコーヒーについて
スペシャルティコーヒーは味の基準による高品質コーヒーのことですが、 サスティナブルコーヒーとは持続可能な環境のもとで生産されたコーヒーのことで、 コーヒーの品質だけではなく自然環境やコーヒーに関わる人々の生活にも配慮し、 改善を目的とした地球レベルで考えられたコーヒーのことです。 コーヒーは農作物ですので、生産から抽出に至るまで様々な段階で人の手が加えられます。 安全で安心出来るおいしいコーヒーを飲み続けるためには、 生産から抽出に至るまで、どの段階でも良い状態が必要になります。  


自然災害や投機の対象で暴落や暴騰が起きることがあります。
暴落すれば我々消費国は仕入れが安くなり小売価格も下げられるので、 消費者に利益がありますが、農園は収入が減ります。 そのため生産コストを下げようとし、瞬く間にコーヒーの品質が落ちます。 また、暴騰すれば我々消費国では小売価格を簡単には上げることが出来ません。 そこで原価の安いコーヒーに切り替えます。 いずれにしても、安全で安心出来るおいしいコーヒーは持続出来ません。 コーヒーの品質には、気候風土や土壌など、様々な地理的条件が深く関わってきます。 どの地域、どの場所でも、 スペシャルティコーヒーのような高品質コーヒーが作れるわけではありません。 世界中各生産地において、持続可能なコーヒー生産が必要になります。


昭和45年から昭和55年の約10年の間、 コーヒー専門店ブームがあり、コーヒーが広く普及しました。 スペシャルティコーヒーは現在、一部の自家焙煎店の中でブームになっており、 よりおいしいものを求める嗜好はわれわれものづくりをするものとして、 また、おもてなしをするものとして欠かせないことだと思っています。 しかしながら私は、100年200年続くコーヒーショップを後世に残していく為には スペシャルティコーヒーだけにこだわらず、 サスティナブルコーヒーを通して様々なことを学び、 サスティナブルコーヒーと共に歩んで行きたいと思います。

山本光弘

(株)ヒロコーヒー

■本社
住所:〒564-0063大阪府吹田市江坂町1丁目7−7ファインクレストビル2F
電話:06-6339-0411/FAX:06-6339-0441

■本部 伊丹いながわ工房
住所:〒664-0831兵庫県伊丹市北伊丹5-15-1
電話:072-778-0411/FAX:072-778-0441
営業:8:00〜23:00(ラストオーダー22:30)
URL:http://www.hirocoffee.co.jp